AIはいま“お守り”から“伴走者”へ
僕がめざすのは「ジムがなくても健康でいられる世界」。トレーナーは“健康インフラを設計・実装する人”であり、一人ひとりの日常に寄り添う伴走者です。6つの最新事例を、そのまなざしで読み解きましょう。
1. Omada Health ── AI×GLP-1ケアで“リバウンド恐怖”を溶かす
アップデート
・食事写真をAIが栄養解析 → 管理栄養士が微調整
・24週で服薬継続率84%、平均体重-12%
・臨床論文30本超が裏付け
依田のひとこと
薬は「効く ⇄ 戻る」の二項対立を生みがち。そこでAIが日常ログを拾い、専門家が行動をチューニングする設計は「薬+行動療法」を同じレールに乗せる好例。栄養指導は“数値合わせ”ではなく「今日コンビニで何買う?」を伴走するところに醍醐味があります。
すぐ仕込むひと手間
・画像解析で食事ログ→人間レビューの二段階フローを小規模テスト
・GLP-1利用者には「服薬+週1ミニ行動レビュー」をセット商品化
2. Ellipsis Health「Sage」 ── 声で“感情バイタル”を測る
アップデート
・70種以上の感情シグナルを解析し、退院後の不安・服薬忘れを検知
・CVS Healthなどから4,500万ドル調達
依田のひとこと
「今日はトレが進まない…」を単なるサボりと見るか、ストレスサインと受け取るかで結果は変わる。音声解析AIは僕らの“聴く力”を拡張する仲間。身体の声と心の声を、両方可視化できてこそ真の個別化です。
すぐ仕込むひと手間
・セッション前後に60秒の音声日誌を提案し、情動トレンドを見える化
・声のテンション×自覚疲労を突き合わせ、週ごとに負荷を微調整
3. Apple Watch「Workout Buddy」 ── 手首で“ながらコーチ”
アップデート
・watchOS 26でリアルタイム音声フィードバック
・フォーム崩れを検知し、負荷も自動調整
依田のひとこと
「画面を見るからフォームが崩れる」問題を耳からのキューで解決。自律的に動けるスキルを身につければ、トレーナーは“戦術コンサル”に集中できる。役割分担の理想形です。
すぐ仕込むひと手間
・クライアントのWatchログを共有し、セッション外の動きを分析
・オンライン指導では「耳キュー」を標準化し、ビデオ依存を減らす
4. Cencora × Infinitus ── 音声AIで事務と孤独を一掃
アップデート
・保険手続きをAIが4倍速で代行
・同じ基盤を高齢者の雑談・服薬リマインダーに展開
依田のひとこと
事務の摩擦コストが下がれば、僕らは本来の専門性にリソースを割ける。雑談AIは孤立の初期サインを拾う“見守りセンサー”にもなる。裏方DXが「誰もが健康でいられる当たり前」を支えます。
すぐ仕込むひと手間
・問診パートを音声Bot化し、トレーナーはリスクスクリーニングに集中
・高齢クライアント向けに雑談+運動リマインドの音声サービスを試験導入
5. CloudFit ── 企業×医療の“橋渡しSaaS”
アップデート
・AIアバター+人間コーチで睡眠・運動・ストレスを一元管理
・NHSと正式提携を目指し協議中、Howdenなどが採用
依田のひとこと
“職場”を起点に医療費と生産性を同時に改善する流れは、日本でも必ず来る。トレーナーは「ジムで待つ人」から「組織の健康戦略を設計する人」へ。一気通貫で提案できるプロがこれからのスタンダード。
すぐ仕込むひと手間
・法人パッケージに睡眠スコアとHRVを組み込み、月次で報告
・健康経営銘柄を狙う企業に「医療費削減ROI試算シート」を提示
6. Magic AI Mirror ── ホログラムで“畳1枚パーソナル”
アップデート
・400種類のエクササイズ、25名のトレーナー動画を内蔵
・本体999ポンド、分割月42ポンド。平均PT料金の約半額
依田のひとこと
地理的ハードルをテクノロジーで突破。田舎の両親にまず届けたいのは“正しいフォーム”。ホログラムがリアルタイムで角度を修正してくれれば、ケガの不安も減る。家トレの質を上げるハブとして、オンライン指導を再定義する好機です。
すぐ仕込むひと手間
・地方クライアントにMirror導入を提案し、月1回は遠隔フォームチェック
・Mirrorの関節データをAPI連携し、オリジナルプログラムに自動フィードバックを組み込む
科学的裏づけ(要点)
Omada:臨床論文30本超. Ellipsis:音声データ30,000件、解析精度85%. 音声フィードバック:VO₂max+11%(Stanford 2024). 音声対話介入:週3回で不安-20%. 法人ヘルスコーチ:医療費3年-12%. Magic Mirror:関節角度誤差±5度
まとめ
今日ご紹介した6つのAIヘルスケアの中で
「これなら私にもできそう!」と感じたものはありましたか?(今回はやや専門家の方向けだったかもしれません)
‐ 通勤中にApple Watchの音声コーチを試してみる?
‐ それとも家の鏡でホログラムトレーナーと一緒に動いてみる?
‐ まずは食事の写真を撮ってAIに丸投げしてみる?
「やってみたい!」と思ったアイデアを、ぜひひと言でいいので返信してください。
あなたの小さな一歩が、明日の“新しい当たり前”になるかもしれません。
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毎週1本、通勤の3分で読める “あたまとからだ” アップデート。
ジムに行けなくても、家族が遠くても、今日から動き出せるヒントをお届けします。
【届く内容】
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最新トレンドをかみ砕き ─ 生成AI・ホログラムなど難しい話を日常目線で
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いますぐ出来る一歩 ─ Apple Watch の裏ワザや畳1枚エクササイズ
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ちょっと深掘りコラム ─ 「ジムに通わなくても健康になれる世界」をどう描くか
【こんな人におすすめ】
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忙しくて運動の時間が取れない
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親やパートナーの健康が気になる
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科学的な裏づけもやさしく知りたい
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ととのったからだは日常を支える。きたえたからだは理想に応える。
─ 依田太一
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